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心地よいお湯とゆったりした時間を満喫。豊かな自然に抱かれる日帰り温泉。

福寿温泉じょんのび館
ばしょ
巻エリア

Information

名称 福寿温泉じょんのび館
アクセス 新潟県新潟市西蒲区福井4067
電話番号 0256-72-4126
営業時間 10:00~22:00
定休日 第1水曜日、第3水曜日および12月31日(水曜日が祭日の場合その翌日が定休日その他は営業日カレンダーのとおり)
URL https://jonnobi.com/

広大な施設に、個性的なお風呂がたくさん

「じょんのび」とは新潟の方言で「ゆったり」という意味。地域初の日帰り温泉施設として1993年にオープンした「福寿温泉じょんのび館」は、広々とした施設に趣の異なる二つの浴場を持つ、まさにゆったりと時間が過ごせる憩いの場だ。

角田山を背景にした贅沢なロケーション

男女日替わりの「源氏の湯」と「平家の湯」はそれぞれ複数のお風呂を楽しむことができるが、どちらもメインとなるのはやはり露天風呂。建物から外に出てさらに階段を37段降りた先に待っている。この場所に源泉が湧いたことから設計されたそうだ。

すり鉢状の底辺に位置する露天風呂は、秘湯を訪れたような雰囲気で入浴できる。

内風呂からは不思議な動線になっているが、指定管理者の株式会社福井開発社長である小川和宣さんは「露天風呂への長い階段は、秘湯へ至るまでの道。日常から非日常へのスイッチになるような工夫を施しています」と話す。

温泉は、地下1,000mから汲みあげる源泉100%のアルカリ性。肌の角質を柔らかくして、すべすべの美肌にする効果が期待できる。また、擦り傷にも効果を感じる人が多いという。

平家の湯は、ジャグジーと全身浴の大きなお風呂が目玉

源氏の湯は、奥に見える丸太風呂が特徴的。地元の木材を使って作られている

大きな窓から見える緑がまるで森の中にいるような気分にさせる源氏の湯の「森のサウナ」もおすすめ。開放感あふれる空間で、たっぷりと汗を流すことができる。サウナを堪能した後は、角田山の伏流水を引いた水風呂へ。キンとした冷たさが、火照った体をクールダウンしてくれる。

広々と開放的な空間の森のサウナ

角田山の伏流水を使用した「天然水の水風呂」

じょんのび館の周辺は「ほたるの里」としても知られる。夏至の頃には「福井ほたる祭り」も開催 

令和に心機一転!新しいステージへ

2019年、創業から26年を経たじょんのび館は赤字が続いていた第三セクターから民間会社に経営体制を一新。県内で日帰り温泉施設を運営する株式会社関越サービス(小川さんが代表)のグループ会社となり、新しい時代にふさわしい日帰り温泉施設へと変革するため、経営再建を図ることになった。

西蒲区の巻出身の小川さんは、2013年に東京から新潟へUターン。県内複数の温浴施設で「親子連れが楽しめる施設に」と館内の大胆な改装や、飲食スペース・メニューのリニューアルを行い、来館者数をV字回復させてきた実績を持つ。

 

じょんのび館を地域の産品と生産者の顔が見えるようにしたいと構想する小川さん

小川さんが改革を進める上でまず考えたのが、地域とのつながりを深めること。「地域とつながる日帰り温泉」をテーマとして、毎月のイベントをスタッフと一緒に考えている。12月の冬至に、地元の方から「ゆず」を持参してもらい入浴券と交換する企画を実施。100キロ以上集まったゆずは、ゆず風呂に使用した。2月は、にしかんエリアの五つの酒蔵(笹祝酒造、弥彦酒造、宝山酒造、峰乃白梅酒造、越後鶴亀)の協力を得て日本酒風呂、酒粕風呂、酒粕パックを行う。

スタッフ発案のイベント企画も行い、利用客とスタッフの距離を縮めることで、じょんのび館のファンを増やしていきたいと考えている。

じょんのび館のスタッフの皆さん

料理長の好きな音楽をかける日や、健康診断でオールAを出したスタッフにちなんで健康定食を販売する日、フロントスタッフが提案したくじ引き、無料で泥パックが体験できる日などを実施。いずれもスタッフの名前を冠にしたイベント名で利用客にアピールする。

さらに、館内に入ってすぐ大空間が広がるロビーの改装工事も計画中だ。

「畳に長机というどこにでもある日帰り温泉ではなく、他にはないような場所を作りたいです。ご家族連れが長時間くつろぐことができ、子育て中のお母さんにも選ばれるような施設を目指していきます」

どんなロビーに生まれ変わるのか、期待が膨らむ

フロント横にある売店コーナーにはとれたての野菜、地元の餅やまんじゅうといったお菓子、調味料などの加工品が並ぶが、「ここに来ればにしかんで作られている野菜やお菓子やものがあって、作っているにしかんの人の顔も見える。にしかんを紹介できる場所にしたい」と小川さんは目を輝かせる。

地域の農家がその日の朝収穫した新鮮な野菜が並ぶ

今まさに生まれ変わろうとしているじょんのび館。日帰り温泉という枠組みを超えて、地域をつなぐコミュニティベースになっていく新たな息吹が、温泉のようにポコポコと湧き出している。

取材・文/
廣川かりん
撮影/
廣川かりん